犬の皮膚病・疥癬について
「疥癬」はヒゼンダニによる皮膚の病気です。
とにかく痒がります。
「疥癬」は皮膚の角質に入り込んでいき、卵を産み落としていきます。
疥癬は顕微鏡で覗かないと見つけることができないくらい小さい「ヒゼンダニ」というクモに似たダニが寄生することによって引き起こされる皮膚病です。
このヒゼンダニには「耳ヒゼンダニ」や「ショウセンコウヒゼンダニ」など多くの種類があります。また犬に限らず猫、ウサギ、ハムスター、フェレットなどにも感染します。
ヒゼンダニは体表に寄生し、表皮を食べて生活します。
卵を持ったメスダニは皮膚の中に2~3ミリの深さのトンネルを掘り、そこに産卵します。
そのダニの卵は通常3~10日でかえりそのまま成ダニに成長し、メスダニであれば再びトンネルを掘って産卵します。
あまりの痒さにかきむしって、皮が剥けてしまったり、日にあたるなどして感染した動物の体温が高くなるとヒゼンダニの運動も活発になってしまうため、痒みはさらに増してしまいます。
疥癬症になった状態で放置したままにしておくと病変は全身におよび、痒みからくるストレスや栄養状態が悪くなってきてしまうため、体が弱い幼若や老齢の場合は重い症状になってしまうこともあります。
(写真参照サイト)
■犬の疥癬(かいせん)の感染はどこから?
ヒゼンダニは伝染性がとても強いです。直接個体に接触して感染することがほとんどですが、このダニが付いてしまっている首輪やブラシなどからも容易に感染します。
多頭飼いの場合などは、1頭が感染すると皆に感染しやすいので要注意です。
また、感染していたペットから落ちたヒゼンダニがいる場所に、散歩などで別のペットが通ったことでその新しいペットが宿主となり感染してしまう場合もあります。
実は、我が家のトイプードルとのミックス犬コナンも疥癬になってしまったことがあります。
初期段階では、とてもかゆがっているが、なにかのアレルギーか、ちょっとした虫さされですぐ治るだろうと軽く考えていました。
しかし、みるみる肌の状態が悪くなり、掻く事で血が出てしまったり、本当につらそうで、これはただ事ではないと、お医者さんに行ったところ「疥癬」の可能性があるということでした。
その感染経路をよくよく考えてみたら、実は私の行動にあったのではないかと思えるのです。
実家で飼われていた犬が、14歳の高齢で、毛が抜け皮膚が像のように硬くなって弱ってきていたので、心配で様子をみたりなでたりした後に、しっかりと手洗いなどもせず、着替えることもなく、家にかえり、喜んで迎えてくれた愛犬を抱っこしたりしていたのです。
確かなことは分かりませんが、疥癬はとても感染力があるので、私の中では確信となっております。
疥癬症の犬や猫を人間が抱いたり触ったりすると、人間にもヒゼンダニが感染することがあります。
特に抵抗力の弱い人が発症しやすいですが、健康な人でも感染します。
症状は体のやわらかい部分に赤い小さな発疹ができて強い痒みが生じます。
しかし、犬や猫から感染するヒゼンダニは人間の皮膚の上では3週間以上は生きることが出来ません。
ですから、症状は一時的なものです。
症状がひどく、動物と接触した過去があり疥癬も疑われる場合は人間の皮膚科の医師に相談したほうが良いです。
■犬の疥癬(かいせん)治療法
疥癬が疑われる場合は、必ず獣医さんに診てもらいましょう。
我が家のコナンもそうでしたが、まず、皮膚の表面を、メスやハサミなどで強くこすってカサブタを掻き取り顕微鏡で覗いて、ヒゼンダニやその卵を発見することから治療がはじまります。
ヒゼンダニを見つけることが診断の基準となります。
しかし皮膚に掘ったトンネルの中にいる場合が多いので、ヒゼンダニは見つからない場合もあります。
コナンは、2度皮膚を掻き取って診てもらったのですが(ちょっと痛くてかわいそうですが治療なので頑張ってくれました。)見つけることができませんでした。
ヒゼンダニやその卵が見つかれば疥癬として診断がつきますが、もし見つからない場合でも、獣医さんの診断によって疥癬が疑われる場合には、獣医さんは疥癬の治療に取り掛かることがあります。
コナンは、動物病院でヒゼンダニを駆除するための殺虫剤を注射し、それと平行して痒みを抑える薬や抗生物質などを内服して治療していきました。
注射は1週間おきぐらいに3回で治療が終わりました。
治療を開始して一旦症状が軽減したように見えても再発する恐れがあるので、ヒゼンダニが死滅して完全に治るまでは、獣医さんの指示どおり治療を続けて下さいね。
コナンは、獣医さんの治療と平行して、家では、犬疥癬用シャンプーで、まめにシャンプーを行いました。
多頭飼いなので、他の犬にも予防をかねて一緒にシャンプーをしました。2ヶ月ぐらい続けました。
ネットで、海外からの疥癬用クリームを取り寄せたりしましたが、疥癬だと診断が下った場合に使用することをお勧めします。
ペットくすりのペルメトリンクリーム
■自宅でケアする
病院で疥癬の治療を行いながら、家でも治療用シャンプーを行うと効果的です。
みなさんのワンちゃんが早く良くなりますように。